一般社団法人エビデンスに基づく統合医療研究会

理事長挨拶


エビデンスに基づく統合医療研究会( eBIM研究会 )の発足にあたって

この度、エビデンスに基づく統合医療(eBIM;evidence Based Integrative Medicine)研究会を発足させることとなりました。一言ご挨拶させていただきます。
近年、医学・医療の目覚しい進歩と生活環境の整備により、最長寿国である我が国はまさに超高齢社会に突入しています。

疾病構造は急性から慢性疾患へとシフトし、多くはがんを始めとする生活習慣病であり、医療費は益々高騰を続けています。これら慢性疾患に対し、現代西洋医療には何らかの限界が認められます。さらに、現代西洋医療(医学)は細分化・専門化が進み、臓器別の部分医療が展開され、その結果全体を見失う状況に陥っていると言われています。

実際、医療現場では各診療科間の連携が希薄となり、特にこころの問題が疎かにされています。その結果、患者−医師関係が疎遠となり医療不信へと繋がっているのではないかと考えられています。

一方、患者の意識構造も受動から能動へと変化しています。IT等の急速な情報の普及により、患者の予防医学や健康への関心が増しています。その中で患者は生活の質 (QOL) を重視した医療を求めています。

そうした医療として、補完代替医療 (CAM) が挙げられますが、これらはほとんどがエビデンスに裏付けられていないのが現状です。しかし、がんなどの生活習慣病を始め、認知症や災害後の後遺障害など、すぐには回復が難しい患者は、従来の西洋医療だけでなく、機能性食品や鍼灸、アロマセラピーなどのCAMを含めた幅広い選択肢の中から信頼できる医療が提供されることを望んでいます。

患者の多様化するニーズを満たし、QOLの向上を図るためには、患者の立場にたって、それらを開発していくことが必要となりますが、そのためにはエビデンスが必要となります。そこで、エビデンスに担保されたCAMを現行の医療に有機的に融合させ、全人的な立場で治療する、新たな治療体系としての統合医療(Integrative Medicine)が求められています。

当講座では、平成18年より5年間、10回にわたり、補完医療に関する勉強会“補完医療を考える会”を開催してまいりました。この度、この会を発展的に解消し、新たに一般社団法人「エビデンスに基づく統合医療研究会 (eBIM研究会)」を設立することと致しました。

当eBIM研究会 は、患者と医療従事者、現代西洋医療とCAM、医療と社会の架け橋となり、“統合された信頼される窓口”を提供すべく、統合医療のエビデンスの構築を目指して活動して参ります。

格別のご高配を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

   平成23年7月吉日        

                    一般社団法人 エビデンスに基づく統合医療研究会
                                 設立時代表理事 伊藤 壽記
                     (大阪大学大学院生体機能補完医学講座 教授)


ホームへ戻る